第193回「広島ラフカディオ・ハーンの会」参加記録
2016/09/13(Tue)
 ハーンの会に出席させていただくようになって、2年と5ヶ月、29回目の参加です。
 ところが、このハーンの会は来年の4月には200回を迎えるということで、記念すべき200回目の開催にむけて、いろいろな催しを計画されているようで、いまから楽しみです。
 ですが、会での風呂先生の講義は、今回も一瞬たりとも手を緩めることがなくて、つぎつぎと準備されたメモにしたがって、示唆に富んだお話をしてくださいます。
 このたびは、『怪談』に収録されている「蚊」についての講義でした。
 川村真代氏の「なぜ蚊の学名は二つあるのか」についての説明がそのときには理解できにくかったので、帰って読み返してみました。先生が整理して板書してくださったのはこのことだったのかなどとやっとわかってきました。
 蚊についてわかったところでいまさら・・・・。などと思いがちですが、いったんそのことに触れたなら、やっぱりちゃんと突き詰めないと寝覚めがよくない人たちの研究です。
 しかし、そうはいいながらも、なんでもすぐに忘れてしまう今日このころなのに、わたしたち山の仲間にもそんなことがよくあります。「先日わたしが、昨晩散歩していて街灯に差し出ている木の枝に大きな美しい緑の蛾が留まっていたと夫に話したら、山繭の蛾だねと言っていた」と話すと、「それは、オオミズアオという蛾よ!」と教えてくださり、今朝裏山に登ったとき、図鑑を差し出して、「この蛾じゃなかった?」と見せてくださいます。ああ、これだったと思います」というと、「やっぱりオオミズアオね。ほらっ!」と確認させてくださいます。帰ってパソコンでオオミズアオと調べてみますと、《ヤママユガ科に分類される蛾の一種。・・・・・種名にギリシャ神話のアルテミスがつかわれている。本種の日本産の学名はActias.artemisからActias.alienaに訂正されている。古い一名として、ユウガオビョウタンとよばれていた。》とあり、昆虫の命名などへの事情がなんとなく知れて、・・・などと蚊のことにも納得したのでした。それにしても話したあと、5日くらいおいて出会ったのに、この図鑑を登るたび持ってきてくださっていたとは、・・・。現代ではこのようにすぐパソコンなどで調べることができますが、ハーンの時代のことを考えると、風呂先生の解説どおり、やはりハーンはよく科学していると感心してしまいます。
 帰る途中、200回近くもこのように濃い講義をされている風呂先生のことを考えていて、ふと、岩佐先生のことを思い出しました。岩佐先生は『神皇正統記』を校注された先生で、広島大学の文学部の部長でしたが晩年、私が30歳になって入学した広島文教女子大学で教鞭をとっておられ、最初の講義のとき、「私は広大で教えていたときよりも年々良い講義をしています。国立大学などの入学試験に落ちてこの文教に来ることになって、つまらない大学だと思っている人は今すぐこの教室から出て行きなさい。文教もいい大学で、よい講義が聴けます。だから、まずは入学おめでとう。その祝いに皆さんというわけに行かないので、代表して・・・」と私(一般社会人の入学者だったからでしょうか)にサイン入りの『神皇正統記』と『万葉集』の岩波の文庫本をくださいました。その翌年の8月に亡くなられたのですが、最後まで気の入った講義でした。
 そして後年、この歳になって、再びこんなにすばらしい講義が聴けるご縁に深く感謝したことでした。

スポンサーサイト
この記事のURL | 未分類 | コメント(2) | TB(0) | ▲ top
<<『苦海浄土』 | メイン | 「水俣病」>>
コメント
-  -
 此の会をリードして来られたような風呂先生のお人柄と、かつての師、岩佐先生のお人柄に感銘を受けました。とりわけ其の後お亡くなりの岩佐先生から直接ご本を頂いた記憶には、忘れ難い大きなものがありますね。
 世の中一期一会と申しますが、予期せぬ出会いにより導かれる道があることを感じています。先日、志村様と花てぼ様と国会を周り其の後にご案内を頂いた学内で昼食を頂きました。その学校は志村様がご卒業の大学でしたが、入学のエピソードによりますと、現在の東大受験に失敗した為の悔しい入学だったようです。しかし其の後に出会った英文科の師に導かれ、大きな視野が広がり納得のご卒業に至ったと伺いました。半ば官制化し、権力欲に塗れた多くの政治家を輩出している東大出身者が幅を利かせる世の中ですが、私も花てぼ様も志村様の今日あることに繋がった大学でのご卒業を喜びながら、さもありなんと納得致しました。
 私の場合にも忘れ難い導きの師があり、一時はキリスト教へ傾いたものの、其の後は宗教では社会は変革できないと感じるようになり、職場での様々な闘いに身を寄せ、至らぬ身ですが、現在も概ね社会と正面から向き合い考え行動するような暮らし方に到っています。
 人の個性は様々ですが、どの人にも耀くものを感じながら、多くの方々と、友と呼び合える今日を嬉しく有り難く思う日々です。次々派生する事故や事件に、全て関心を寄せることなど私にも不可能ですが、出来うる限り、底辺で支援を求めている人たちに寄り添えたらと願うばかりなのです。
2016/09/13 11:07  | URL | みどり #-[ 編集]
-  -
 志村さんの先生のブライス先生の俳句の解釈についてのお話が風呂先生の講義ででたことがありました。
 あっ志村さんの先生だとうれしかったのを覚えています。
 志村さんが、NHK「みんなの歌」で、日本語訳によって世界のおおくの歌を広められた功績は、ブライス先生との出会いによるものかもしれませんね。
 志村さんと花てぼさんとの語らいの一部にふれられて良かったです。老後を迎えるに当たり、このような方々と語り合うことのできるみどりさんが幸福だと思えます。
2016/09/14 04:12  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://yamanbachindochu.blog106.fc2.com/tb.php/900-bf24afd6

| メイン |