『へるん百話』―小泉八雲先生こぼれ話集
2017/01/21(Sat)
 梶谷泰之著 内田融監修 村松真吾編注 『へるん百話』―小泉八雲先生こぼれ話集 を読みました。
 1984年7月4日から1986年11月15日まで、週2回250字枠で、毎日新聞島根版で連載されたものが、1968年に八雲会からまとめて小冊子として出版されました。
 それがこのたびさらに八雲会発足50年を記念して、新たに再版されました。

 この本は、本当に楽しくハーンに親しめ一気に読めました。
とはいうものの、松江や出雲の地名やお寺などがでてくると、グーグルマップで検索して、地図上、あるいは航空写真上で、ありかを探してハーンの歩いた道のりを確認してみたりもしました。そういえば、松江・出雲方面については、何度か遊んだこともあるので、このようにしてみるとその風景なども思い出して、臨場感ひたれる部分もありました。
 
 よほど詳しく丁寧に調べられたと感心する部分も多くありました。また、御存知の方があれば教えて下さいと、より知りたいとの願いにも多くであいました。そういった思いが通じて、ほかから提示されてくる資料もあったことも記されています。

 こういった思いは、しかし私たち夫婦も経験したことが在りました。
この書物でも55ページ、79・80ページに取り上げられている、「出雲への旅日記」の「広島にて 八月二十九日」の太田川の可部の渡しの記述についてです。
 私たちの住まいしている可部の記載はハーンの作品中たった数行ですが、以前渡しがあったところから見た川の流れや、遠くの山々をのぞみ、そして巡礼の少年のいた時代へと思いをはせてゆきました。
 我が家には、夫の叔母が、昭和35年ころこの渡しの可部側にあった「料亭翠香園」の前で写った和服姿の美しい写真があります。可部駅前に移った翠香園で以前聞いたのですが、当時の翠香園のお客は、可部の人はいなくて、広島から汽車できて、鮎料理を堪能して船で下るひとがほとんどでしたとのことで、叔母も広島の己斐に住んでいました。
 また、翠香園には舟が川を行き来する当時の写真が残っていて、中国新聞の日曜版を大きく飾ったこともあると新聞も見せて下さいました。いまでは舟で可部・広島間を行き来するなど考えられないことです。
 これほどにハーンの物語に出てくる可部の風景は今では遠くなってしまったことを感じました。
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