「死者の秘密」
2017/02/10(Fri)
 諸兄那香編訳 小泉凡監修 『小泉八雲の“怪談”で英語を学ぶ』のなかの「死者の秘密」を読みました。
この本を読んで「英語が身につきました。」の記録をしたいのですが、勉強そのものは全く省略しての日本語訳の読書です。
本当に短いお話です。
 丹波の国に稲村屋善助という裕福な商人がいました。お園という娘がおり、可愛く利発なところがあるので、京都に送り出し、雅なおけいこ事も身につけさせました。そして、長良屋という商人のもとに嫁がせ、子どもが一人いましたが、結婚後四年目に病で亡くなります。お園の葬儀が終わった日から、お園の亡霊がお園の箪笥の前に現れるようになります。亡霊は、箪笥のほうを恨めしそうに見ていました。夫の母親は、禅寺の太元和尚のもとに行き、彼女の霊をどのようにして慰めたらよいか相談をします。彼は、亡霊の出る頃、お園の箪笥の前で、経文を唱え、お園の戒名で声掛けをして、お園の人影に話しかけました。「わしはそなたを助けるためにここに来たのだよ。おそらく、あのたんすの中に、あなたが気にかける事情のある品があるのだろう。わしがあなたに代わって、それを見つけてみようかの」と、箪笥を調べて、一通の手紙を見つけ、それを誰にも見せず焼く約束をしました。その手紙はお園が京都で習い事をしていたときに彼女に書かれた恋文だったのですが、その秘密は太元和尚の死とともに葬られたという話でした。

 この話のもとになった話は『新撰百物語』に収録された「紫雲たな引蜜夫の玉章」だそうです。その話とちがうところについての解説も楽しく読めます。

 もとのはなしは、浮気をする女性がこのところおおいいが、浮気をしていると、死んだ後にも子どもが誰の子かわからないといったようなことからろくなことはないから、慎むように。という趣旨に受け取れるということです。
 しかし、ハーンの作品では、手紙は結婚前のことで浮気にはなりません。自分の死後、婚家の人がいい思いはしないし、子どものためにもよくないと、残されたの家族の幸福を願って、気遣う心が描かれているとのことでした。

 ほんとうに箪笥の中には、持ち主さえ気づかない隠し場所がけっこうしつらえられてありこんなこともありそうです。
 自分の死後の家族への気遣いまでできるような死に、尊いものを感じます。
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