「ろくろ首」
2017/02/11(Sat)
 諸兄那香編訳 小泉凡監修 『小泉八雲の“怪談”で英語を学ぶ』のなかの「ろくろ首」を読みました。

 あとの解説に、≪日本でお馴染みのろくろ首といえば、姿は若い娘で、首が伸び縮みして、行灯の油をなめるという化け物。かっては湾曲した鏡を用いたからくりものだったのか、いんちきろくろ首の見世物もあったそうです。…≫とありますが、このろくろ首という話は、そのようなものではありませんでした。
 
 九州の菊池氏に仕えていた武勇すぐれた磯貝平太座衛門武連という武士がいました。菊池氏が滅んだので回竜という僧侶になって旅に出ました。甲斐国の山中で、野宿をしようとしたとき村の男が通りかかって、自分の家を宿にと申し出ました。彼の家に行くと、4人のものがいてが、それぞれ、作法を知っており、山中の人とは思えない丁寧な挨拶をします。主が、ある大名に仕えていたのに、身勝手な所業の為に一家を破滅させたので、お家再興を願って不幸な人を助けることで、自らの罪業に打ち勝とうとしているといいますので、その願いがかなうように経を唱えると約束します。
 経を読み上げて、水を飲もうと襖を開けると、5人の寝姿に頭がありません。『捜神記』に、頭のない体を別の場所に移したら、頭は二度と首に接合できないと書かれていたことを思い、主の体の足をつかんで外に押し出し、庭にから林の中に行くと5つの首は飛び回りながら、坊主を食べたいのに、経を読んでいて近づけないと話しています。ところが主は自分の体が動かされて接合できないことに腹を立て、4人を従えて回竜にとびかかります。回竜は4つの頭は打ち払って逃がしましたが、主の頭が袂にくらいつき離れません。回竜は、そのまま諏訪にやってきて、袂の頭の為にとらえられます。ついに役人の前に引き立てられ事情を聴かれ委細を話します。役人は自分たちが愚弄されていると腹を立てたが、一人の老役人がその首を見て『南方異物志』のことを思い出し、回竜の言うことが正しいといい、彼のもとの素性を聞いた。すると、役人たちも磯貝平太座衛門武連という武士を知っていたものが多く恭しく彼を大名の屋敷に送り届けた。大名は贈り物などして歓迎してくれた。回竜はまた袂に首をつけたまま旅を続けていた。すると、追剥に出合い、追剥がその首の付いた着物を自分のと変えてくれれば5両やるというので、取り換えまた旅を続けた。 追剥はしばらくして胴体を探し出し首と一緒に丁寧に葬ってやったという話でした。
 ろくろというのは、轆轤のことで、陶芸を作るのにつかわれます。もう一つ、井戸の滑車のようなものもいうのだということもわかりました。
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