『良寛の四季』 
2017/03/22(Wed)
 荒井魏著 『良寛の四季』 岩波書店2001年発刊を読みました。
 みどりさんから贈っていただいていた本でしたが、このたび、近所のKさんに、お貸ししようと手に取ったので、ついでに読み返しました。じつは、短歌や、俳句以外は何も覚えてなくて、改めて短歌や俳句の力を感じます。
 読み終えて、過去ブログを読み返し、みどりさんからのコメントの 「人の心の奥底に潜むものは、ひとくくりでは言えませんね」が、このたびの読書からの感想に近い気がして、仕事をやめたことで、自治会の役員などの雑用はあるものの、読書への力の入れ込みが深くなったように感じられました。

 2000年3月から2001年4月まで毎日新聞に連載されたものだということです。良寛の四季それぞれの生活ぶりなどから、その人間性を具体的に浮かび上がらせることへの狙いが、書いている途中から、良寛の経歴などわからない部分が多く、その謎解きに追われ、探っていくと突然霧の中に閉ざされて、結局は良寛の「人生の四季」そのものを描くことになってしまいおおく加筆したと著者もあとがきで述べているように、ある意味では、読みにくい本だったかもしれません。
 それならいっそのこと、良寛の生い立ちからくる人間性を求めず、彼の作品を楽しんだほうがいいのではとも思いますが、作品をできるだけ深く味わいたいと思うのでやはり、そうはいっても、著者と同じ思いをしてしまうのかと思わされる本です。
 構成は
  春の章 越後の里へ
  夏の章 母と父、そして出奔―その謎に迫る
  秋の章 書と詩歌と―五合庵での創造
  冬の章 良寛の思想―三人の師、そして貞心尼

 春の章では、著者が、良寛の晩年を暮らした新潟県分水町の国上山(くがみ山)の中腹にある国上寺から、10分ほど下ったところにある五合庵の頃、乙子神社、などの句碑も訪ねて文学散歩をします。
夏の章では、春の章でも、疑問だらけだった良寛の出奔の謎に迫ろうと、これまでの良寛に関する資料や研究書を中心に考察してゆき、18歳で出奔、22歳で光照寺で国仙に会い出家剃髪するまでの空白の4年間が、良寛の人間性のベースを解く鍵ではないかと結論付けています。
秋の章では、やはり、備中・玉島の円通寺から故郷越後へ帰り、此処での書や詩作などについて述べてあります。書については生存中から偽者が出回っていたということです。
冬の章では、貞心尼との楽しい晩年が描かれています。
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