『万葉集』
2017/03/29(Wed)
 根本浩著 面白くてよくわかる! 『万葉集』 を読みました。
 (株)アスペクト 2010年の発行です。
 表紙には、美しい日本語で紡がれる和歌を学ぶ大人の教科書 面白くてよくわかる!『万葉集』と明記されていますが、まったくそのとおりで、楽しく納得しながら読むことができました。

 1章の、知っておきたい『万葉集』の基礎知識では、≪万葉集は、629年から759年までの約130年間に作られた歌を集めた日本最古の和歌集です。≫からはじまって、そのなかを、4期に分けて説明されていくことが記されています。

 2章では、その第1期として、舒明天皇が即位した629年から、壬申の乱が起きた672年までとし、大化の改新や近江遷都、壬申の乱などの激動期が続いています。
 代表的歌人は舒明天皇・中大兄皇子(のちの天智天皇)・大海人皇子(のちの天武天皇)・額田王・間人皇后(はしひとのこうごう)などで、ほとんどが皇族、または皇族の身近にいる人など、身分の高い人でしめられています。
 あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る      額田王

 3章では、第2期として、壬申の乱から平城遷都が行われた710年迄で、天武・持統天皇が治めた安定期で、第1期の皇族から宮廷歌人、柿本人麻呂・高市黒人(たけちのくろひと)・大津皇子・大伯皇女(おおくのひめみこ)・志貴皇子・高市皇子・穂積皇子などを中心にして、みずみずしく力強い歌が読まれています。
 淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 情もしのに 古思ほゆ     柿本人麻呂

 4章では、第3期として、平常遷都後から山上憶良が死去した733年までで、この時期、山部赤人・大伴旅人・山上憶良・大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)・湯原王(ゆはらのおおきみ)など、官位や役職などとは関係のない自由な気持ちで、多彩な歌風が花開いた時代だと述べられています。
 この世にし 楽しくあらば 来む生には 虫にも鳥にも 我はなりなむ 大伴旅人

 5章では、第4期として、山上憶良死去後から、大伴家持によって最終歌が詠まれた759年までとし、政争の多い政情不安な時代の中で、大伴家持・中臣宅守(なかとみのやかもり)・狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)・笠郎女(かさのいらつめ)などの、世を反映し繊細で観念的な歌がおおいとされています。
 風まじり 雨降る夜の 雨まじり 雪降る夜は 術もなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづろひ・・・・・(風まじりに雨が降る夜、雨まじりに雪の降る夜は、どうしようもなく寒いので、堅い塩をつまみながら・・・・・)                   山上憶良
 塩津山 うち越え行けば 我が乗れる 馬そ爪づく 家恋ふらしも    笠金村

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